Story

ワークサロンができるまで

繊維の街として栄えていた愛知県一宮市木曽川町。
この街には、三角屋根をした
〝のこぎり屋根工場〟と親しまれる繊維工場が残っています。

戦後には街のあちこちから、
〝ガチャン〟と機織りの音が聞こえてきたものです。

のこぎり屋根の連なる風景は、
この街みんなの誇りでした。

繊維の産地として全国的に知られるほどでしたが、
高度経済成長期の大量生産の波は
変化をもたらします。
良質な繊維産業は一気に落ち込み、
しだいに機織りの音も街から消えていきました。
街の象徴だったのこぎり屋根工場は空き家になり、
どんどんボロボロになっていきました。

時代に変化が訪れ、仕事や働き方も変わる中、
のこぎり屋根の下は変わらず、
とても心地良い魅力的な空間が広がっていました。

何か、今の魅力を活かしながら
使える方法はないだろうか、と私たちは考えました。

のこぎり屋根工場は新たな働く場として、
ワークサロンとして再生します。

かつては家族が働くための場所でしたが、
これからは、家族のような数人が
ともに働くための場所になります。

繊維工場からワークサロンへ
家族の働く場から、ともに働く場へ

新しい譚(ものがたり)がはじまります。

のこぎり屋根工場は、これからとこれまでを紡ぐ、
きっと再び愛される価値のあるものだと信じています。